第35回東京国際映画祭のラインアップが発表「パトレイバー2」、『メガゾーン23』、『ウルトラセブン』の上映も

『マジカル・ガール』監督の新作でゲームデザイナーが主人公の『マンティコア』もコンペに登場

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世界から最新の映画が東京に集まる「第35回東京国際映画祭」が2022年10月24日から11月2日まで、東京の日比谷や有楽町、丸の内、銀座を会場に開催される。9月21日にはラインアップ発表会が行われ、コンペティション部門に日本から参加する『窓辺にて』の今泉力哉監督、『山女』の福永壮志監督、『エゴイスト』の松永大司監督が登壇し、昨年に引き続いてフェスティバル・アンバサダーを務める橋本愛といっしょに映画祭への期待などを話した。アニメーション関連のプログラムでは、放送開始55周年となる『ウルトラセブン』や、東京を描いた映画として『メガゾーン23』の上映が行われることが発表された。

左から今泉力哉監督、アンバサダーの橋本愛、福永壮志監督、松永大司監督

今回の東京国際映画祭は、会場こそ昨年と同じ日比谷や有楽町となるが、上映劇場にTOHOシネマズ日比谷や丸の内ピカデリーなどが加わり、スクリーン数が増えてより多くの映画を楽しめるようになる。オープニングにあたってレッドカーペットも実施。オープニング作品としては、嵐の二宮和也が主演する『ラーゲリより愛を込めて』が東京宝塚劇場で上映される。クロージングは黒澤明監督の傑作をノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロ脚本で再映画化した『生きる LIVING』が日本で初めて上映となる。

映画祭の華ともいえるコンペティション部門には15作品が登場。ここに日本から3作品が入って世界の作品と競い合う。今泉監督は、「日本映画の中でグランプリを競うのと違って、いろいろな地域の作品と並んで観てもらえる。いろいろな国から来ている審査員の方々に観ていただくのも作品にとってプラスになる」と語り、松永監督も「ほかの国の映画と並んで自分の映画がどのように観られるかが興味深い」と話して、世界との競演に期待を示した。

今泉力哉監督『窓辺にて』 (C)2022「窓辺にて」製作委員会

コンペティション作品には、チリ独裁政権下の恐怖を描いたマヌエラ・マルテッリ監督の『1976』や、意に反して男装で埋葬されてしまったトランスジェンダーの女性の遺志をかなえようと、友人たちが奔走するロベルタ・トーレ監督『ファビュラスな人たち』などが登場。娘のために魔法少女の衣装を買おうとした男の転落を描いた『マジカル・ガール』のカルロス・ベルムト監督による新作で、ゲームのデザイナーとして働く男とボーイッシュな少女の恋を描く『マンティコア』もアジア初登場となり、注目だ。

『マンティコア』 (C) Aquí y Allí Films, Bteam Prods, Magnética Cine, 34T Cinema y Punto Nemo AIE

日本のアニメや特撮作品を紹介する「ジャパニーズ・アニメーション」も実施。「ゼロから世界を創る」をテーマに、石田祐康監督『雨を告げる漂流団地』、田口智久監督『夏へのトンネル、さよならの出口』、黒川智之監督『ぼくらのよあけ』と今年公開の新しい作品をあらためて上映して、それぞれの作品が描き出した世界の有り様を見てもらう。

また、「アニメと東京」と題して東京が舞台となった作品をピックアップ。『幻魔大戦』、『メガゾーン23』と1980年代に公開された作品や、押井守監督の描く東京が見られる『機動警察パトレイバー2 the Movie』、ARによる新たな一面が付け加えられた東京が登場する『劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』を上映して、時代とともに変わる東京の見せ方を感じてもらう。

第35回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門ラインアップ

特撮は放送開始55周年となる『ウルトラセブン』からエピソードを選りすぐって上映。「対話」というテーマで「ダーク・ゾーン」、「宇宙囚人303」、「盗まれたウルトラ・アイ」、「ノンマルトの使者」、「特撮」のテーマで「湖のひみつ」、「ウルトラ警備隊西へ 前後編」、「超兵器R1号」、「ヒーロー」をテーマに「セブン暗殺計画 前後編」、最終回となる「史上最大の侵略 前後編」を4K映像で上映。『ウルトラセブン』という作品が持っていたテーマ性を改めて確認してもらう。

映画祭ではほかにもさまざまなプログラムが用意されている。日本作品を並べた「Nippon Cinema Now」では、脚本家の伊藤ちひろが行定勲監督のプロデュースで撮った『ひとりぼっちじゃない』などを上映。今年3月に死去した青山真治監督を追悼し、『EUREKA ユリイカ』と『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』の上映も行う。

Nippon Cinema Nowでは「追悼 青山真治」として青山真治監督の『EUREKA ユリイカ』、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を上映

世界の映画祭で注目された作品が並ぶ「ワールド・フォーカス」には、フランス発の戦隊ヒーロー映画として話題のカンタン・デュピュー監督『タバコは咳の原因になる』が登場する。

『タバコは咳の原因になる』 (C)2022 - CHI-FOU-MI PRODUCTIONS - GAUMONT

テレビやネット向けに作られた秀作を紹介する「TIFFシリーズ」には、白石和彌監督で西島秀俊、中村倫也が競演する『仮面ライダーBLACK SUN』がワールドプレミアとして上映される。

『仮面ライダーBLACK SUN』 (C)石森プロ・東映 (C)「仮面ライダーBLACK SUN」PROJECT

第35回東京国際映画祭はまた、映画界でたびたび問題となるハラスメントに対して、決然とした意識を持つ必要があらためて求められる映画祭となりそうだ。フェスティバル・アンバサダーとして東京国際映画祭を通し、発信していきたいことを聞かれた橋本愛が真っ先にあげたのがこの問題。「現場を経験して思うところがあります。上の世代の方々が必死に積み重ねてきたものを大事に守り抜き、誇りを持ってモノ作りに関わっていることは素晴らしいですが、下の世代や若い人の声をちゃんと聞こうという姿勢がもう少しあったら」と話して、世代間の溝をなくす努力をお互いにしていく大切さを訴えた。

コンペティション部門に日本から参加する監督も、「自分の現場では起きないようにしているが、ひとりずつ意識を持つようになれば変わる」(今泉監督)、「縦社会の空気や行きすぎた労働があるなら変えていかなくてはならないと思う」(福永監督)、「日本ではお前とかおいとか呼ぶが、アメリカは名前を呼ぶ。それが当たり前という現場を経験したとき、こうあるべきだと思った」(松永監督)と、それぞれの現場で取り組んでいることや意識していることを話して、改善の姿勢を見せていた。

第35回東京国際映画祭は10月24日より開催。上映作品の詳細やチケット情報は公式サイトから確認できる。

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